いつの間にか、君に恋していたんだ。


その行動に首を傾げたけど、さすが太陽君だなって思った。


明るい太陽君らしい前向きな言葉。


きっと、その人は太陽君のことを好きになるよ。


もしならなかったにしても、太陽君には素敵な恋人ができる気がする。


「ねぇ!輝楽兄は俺の好きな人知ってる?」


「あぁ、太陽は分かりやすいからな」


えっ、知ってるんだ……


別に分かりやすくはない気がするから、多分輝楽さんが鋭すぎるんだと思うけど……


「輝楽兄には敵わないなぁ。多分輝楽兄もでしょ?」


「あぁ、いつの間にか。でも、すんなり渡すつもりはないから」


「望むところ!」


会話に完全に置いてきぼり。


え、えっと、何の話をしてるんだろう……?


でも、まぁ私には関係のない話だよね。


「あ、そういえばさ。伊鳥、玉城先輩と会話ってどんな話してたの?」


あ、結局戻ってきちゃった。


「えっと、由香ちゃん彼氏さんがいるのに、私に彼氏できてほしくないなんて言うの。理由は寂しいからって。私もそうだったなってことを伝えたら、由香ちゃんに結婚しよって言われたことを思い出してたんだ」


自分でも意味の分からない話だと思う。


どうでもいいよね、こんな話。


私の語彙力がないせいもあるけど。


「あぁ、それ分かる!玉城先輩とはまた別の意味だけど、俺も伊鳥に彼氏できるのやだし」


「俺も」


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