いつの間にか、君に恋していたんだ。


勉強を教えてもらって、ご飯を作ってから家に帰った。


すると、さっそく奈々美さんと会ってしまう。


「あら、おかえり。輝楽さんと仲良くやってるようね」


明らかな嫌味。


昔から言われてたけど、輝楽さんに看病してもらったあの日から酷くなったような気がする。


輝楽さんに何か言われたのかな……?


「今日は何をしてもらったのかしら?」
  

「えっと、勉強を教えてもらいました」


わざわざそんなこと言う必要性はないけど、目が怖かったから正直に話した。


すると、奈々美さんはリビングに行き叫ぶ。


「聞いた?お母さん!この子、輝楽さんに勉強教えてもらってるんだって!」


「まぁ!そんなことしてもらってるの?迷惑かけちゃダメじゃない。もうこれから教えてもらうのはやめなさい。輝楽君も迷惑がってるでしょうよ」


この人達にこんなことを言われる筋合いはない。


でも……輝楽さんがどう思ってるかも分からないから。


確かにその通りかもしれないって思っちゃうんだ。


輝楽さんだって、大学から出された課題があるだろう。


忙しいに決まってる。


それなのに、私の勉強を見てもらうなんて迷惑なんじゃないかって……


ずっとそう思ってはいた。


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