いつの間にか、君に恋していたんだ。


〔奈々美side〕


憎い。


あいつが憎くてしょうがない。


何で、いつもあいつは……


悔しくて、奥歯を噛みしめる。


あいつは、私の持ってないものを全て持ってる。


お母さんが伊織さんと再婚した時、私は初めてあいつと会った。


あいつは、私より綺麗で性格もいい。


おまけに、何でもできる。


その時から、いい感情は抱いてなかった。


でも、それが悪い方向へといったのは私に初めて好きな人ができた時だった。


私は今まで男に苦労したことなかったけど、好きな人ができたことはなかった。


生まれて初めて自分から好きになった人。


でも、その人はあいつを好きになった。


その時に感じた憎悪はだんだん増していくばかりだった。


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