いつの間にか、君に恋していたんだ。
もう1度


〔伊鳥side〕


朝起きて、スマホをチェックしてみたら、何故か輝楽さんの連絡先が消えていた。


これは多分……


頭に浮かんだけど、証拠があるわけじゃないから問い詰めようとは思わない。


言ったって、ただ怒られるだけだろうし。


でも、輝楽さんの連絡先が消されてたのがすごくショックだった。


それが顔に出てたのかな……


「どうしたの、伊鳥。なんか落ち込んでるみたいだけど」


「えっ、そんな顔してる?」


「思いっきりしてる」


由香ちゃんに心配されてしまった。


気をつけなきゃ。


「ううん、何でもないよ」


「嘘、そんなわけないじゃない。話しなさい、伊鳥」


威圧感がある由香ちゃん。


ちょっと怖いなぁ……


苦笑いしたけど、由香ちゃんにはちゃんと話したい、そう思ったから今朝の出来事を話した。


「全く最低ね!人の携帯を勝手に構った挙げ句、連絡先を消すなんてれ」


「でも、本当にそうかは分からないよ。もしかしたら、私の手が当たってそうなったのかもしれないし」


「いや、それは絶対ない!ほんと、伊鳥は……わざわざ庇わなくてもいいのよ、あんな人を」


「ううん、庇ってるつもりはないよ。ただ思ったの。もし違ってたら、失礼だなって」


< 122 / 326 >

この作品をシェア

pagetop