いつの間にか、君に恋していたんだ。
もう1度
〔伊鳥side〕
朝起きて、スマホをチェックしてみたら、何故か輝楽さんの連絡先が消えていた。
これは多分……
頭に浮かんだけど、証拠があるわけじゃないから問い詰めようとは思わない。
言ったって、ただ怒られるだけだろうし。
でも、輝楽さんの連絡先が消されてたのがすごくショックだった。
それが顔に出てたのかな……
「どうしたの、伊鳥。なんか落ち込んでるみたいだけど」
「えっ、そんな顔してる?」
「思いっきりしてる」
由香ちゃんに心配されてしまった。
気をつけなきゃ。
「ううん、何でもないよ」
「嘘、そんなわけないじゃない。話しなさい、伊鳥」
威圧感がある由香ちゃん。
ちょっと怖いなぁ……
苦笑いしたけど、由香ちゃんにはちゃんと話したい、そう思ったから今朝の出来事を話した。
「全く最低ね!人の携帯を勝手に構った挙げ句、連絡先を消すなんてれ」
「でも、本当にそうかは分からないよ。もしかしたら、私の手が当たってそうなったのかもしれないし」
「いや、それは絶対ない!ほんと、伊鳥は……わざわざ庇わなくてもいいのよ、あんな人を」
「ううん、庇ってるつもりはないよ。ただ思ったの。もし違ってたら、失礼だなって」