いつの間にか、君に恋していたんだ。
「まぁ、嬉しいけどな!そう言われんの」
「確かに嬉しいよね」
親からもらった大切な名前だし、そう思うよね。
「まぁ、伊鳥だから余計に嬉しいんだけどな」
「えっ……?」
意味が分からなくて、首を傾げる。
でも、太陽君は笑って首を振った。
「いや、何でもない!」
「……?」
そうなのかな?
なら、いいんだけど……
あ、そういえば……輝楽さんって今日いるのかな?
いる時はいるけど、大学生だし、いろいろ忙しいだろうから、もしかしたらいないかもしれない。
たまにいない時があったし。
「ねぇ、太陽君」
「んー?」
「今日輝楽さんっている?」
「輝楽兄?」
聞かれて頷くと、
「いるけど」
「そっか」
返ってきた答えに少し安心した。
よかった……交換しようと言える機会がある。
「……輝楽兄が目的なの?」
「えっ、あ、えと……」
今日は確かにそうとも言えるから、歯切れが悪くなってしまう。
「ふーん、そっか……妬けるな」
最後ぼそりと何か呟いていたけど、分からなかった。
輝楽さんだけってわけじゃないけど、言い当てられたような気分になって恥ずかしかった。
だから、聞いてなかったんだ。