いつの間にか、君に恋していたんだ。
こんなに嬉しいのは、きっと私だけ。
輝楽さんは少しも思ってない。
でも、それでもよかった。
「っていうか、輝楽兄と伊鳥っえ交換してたんだな。俺知らなかった」
「結構前に交換してたんだよ」
「ふーん」
太陽君は何故かチラッと輝楽さんを見て……
「はぁ、強力なライバルだよなー」
「それは俺も思ってるけど」
輝楽さんと太陽君、2人からバチバチ目から火花が出てるような気がして戸惑う。
な、なんだろう……
私はよく分からないまま、どうしようかとオロオロしてしまった。
「あ、あの……」
困惑しきった声に気づいたのかな……
2人はこっちを見た。
「ごめん、伊鳥!」
「今のは気にしないで」
も、もしかして、単なる私の気のせいだったのかな……?
「わ、分かりました」
少し気にしていたけど、仲良い2人だし大丈夫だよねって思うことにして、私は笑った。
ご飯を作って家を出る。
太陽君に後であいつらって誰?って聞かれたけど、曖昧に答えておいた。
あの2人、鋭いから怖い。
特に輝楽さんは。
もう全部分かってるんじゃないかって思うほどだけど……さすがに私の過去は知らないよね。
……知ってたら、真逆にびっくりするけど。
「あ、明日は来なくていいから。俺も太陽も結構遅くまでバイトあるし」
「あ、はい。分かりました」
そんなやりとりを最後に家を出た。