いつの間にか、君に恋していたんだ。
私の家に着き、中に入ると玄関に奈々美さんがいた。
……最近、こういう出会い方多いな。
何を言われるんだろうかって少し身構える。
「随分嬉しそうな顔だけど、また輝楽さんと連絡先交換したわけ?」
奈々美さんが鋭く私を睨み付けてきた。
怖気づきそうになったけど、頑張って聞いてみる。
「輝楽さんの連絡先消したのは、奈々美さんですか?」
認めるわけない。
そう思いながら聞いたけど……
「えぇ、そうよ」
意外にもあっさりと認めた。
「どうして……」
「決まってるじゃない!気に食わなかったからよ!あんなにも近づかないでって言ってるのに、近づくし。あんた見てると腹立ってくる!もう金輪際、輝楽さんに近づくのやめなさいよ!でないと、今度はもっと酷いことするわよ!」
……やってられない。
私はここで生きていくしかないの……?
「そんなの奈々美さんが決めることじゃないです」
それだけ言って、部屋の中に入った。
もうこんなところにいたくない。
今まで我慢してきたけど、もう無理。
明日にでも荷物を持って、あの人のところに行こうかな……
また何かされたら怖いから、今日は鍵をかけた。
ベッドに入ると、奈々美さんのことで疲れていた私はすぐに眠りに落ちた。