いつの間にか、君に恋していたんだ。
バイト
朝になると、裕美さんと奈々美さんの両方から怒られてしまった。
何もせず部屋に入っちゃったから。
奈々美さんの場合はそれだけじゃないと思うけど……
ふぅと息を吐く。
しばらくあの家にいたくない。
でも、それをあの人は受け入れてくれるのかな……?
それが不安だったけど、裕美さん達にバレないように抜けて向かう。
数十分歩いたところで、大きな家が見えてきた。
ここだ……
家の前に立つと、懐かしい気持ちになる。
……久しぶりだな。
行ったのは結構前で、まだお母さんが生きていた頃。
それ以来行ってなかったから。
覚えてくれてるかな……?
ドキドキしながららドアホンに手を伸ばした。
ピンポーン
「はーい」
その声と共にガチャッとドアが開いて、小夜さんが出てきた。
「あら、もしかして……あなた、伊鳥ちゃん!?」
「はい、そうです。なんの連絡も入れずに来てしまってすみません」
「ううん、いいのよ!さぁ、どうぞ!上がって上がって!」
小夜さんはすごく嬉しそうで、私も嬉しくなった。
小夜さんは私のお母さんの姉で、私の叔母にあたる人。
小さい頃、よく遊んでもらっていたんだ。