いつの間にか、君に恋していたんだ。


「お邪魔します」

 
そう言ってから、入らせてもらった。


「ふふっ、相変わらず礼儀正しいのね。どうぞ遠慮なく上がってくれていいのよ?ここは、あなたの第2の家なんだから」


変わらない優しい言葉。
 

その言葉にホッとした。


「ありがとうございます」


「うんうん。それにしても、伊鳥ちゃん綺麗になったわね~」


綺麗になった……?


ううん、これはただのお世辞だよね。


それか、贔屓目で見てるか。


「そうですか?」


「えぇ。昔は可愛いって感じだったけど、今は可愛さに加えて綺麗さがプラスされた感じよ。さぞかし、学校でモテるでしょう?」


私にそんなことを言われても……


戸惑ってしまった。


大げさだし、そもそもモテてるわけないのに……


「モテてないですよ」


「えっ、それは嘘よ。私でも思うもの。男の子だったら、絶対思ってるわ」


本当なのに……


やっぱり、贔屓目で見られてるよね。


お礼言うだけにしとけばよかったかも……


「まぁ、無自覚な伊鳥ちゃんに言っても無駄ね。今お茶準備するから、適当なとこに座ってて?」


「あ、はい」


私の家より明らかに高そうなソファーに遠慮がちに座った。


……ほんと、小夜さんの家って大きい。


初めて見た時も思ったけど……


< 139 / 326 >

この作品をシェア

pagetop