いつの間にか、君に恋していたんだ。
小夜さんの夫である星耶さんが大きな会社の社長だからっていうのもあると思うけど……
「お茶持ってきたわよ~」
朗らかな笑顔を浮かべて、お茶を持ってきてくれた。
私の座っている机の前に置いてくれる。
「ありがとうございます」
「ふふふ、いいのよ。それにしても、どうしたの?何かあったから、うちに来たわけでしょう?」
小夜さんは、もしかしたら察しているのかもしれない。
勘が鋭い人だから。
それにしても、私の周りには勘が鋭い人が多いな……
「はい、もうあの家にいたくなくなったんです」
「まぁ。それは嫌がらせで?」
「まぁ、そんな感じで。今奈々美さんには好きな人がいて、その人はものすごくモテていていろんなところで有名なんです。その人とひょんなことから関わるようになって、連絡先の交換もしました。その連絡先を奈々美さんに消されて、もう1度交換したんですけど、もうその人と関わるなって言われてしまって……なんか、もう疲れてしまったんです」
あまり上手く説明できなかったけど、伝わったかな……?
「まぁ、そんなことが……それは嫌になるわね」
苦笑いしながら……それでいて、私に優しく微笑んでくれた。