いつの間にか、君に恋していたんだ。


「それにしても、そんなモテる人がいるのね。まるであの子みたいだわ」


「あの子?」


「うちの店のバイトをしてくれてる子なんだけど、間違いなくうちの店で1番と言ってもいいくらいモテてる子なの。それに、結構有名みたいで。店に来るに来る子はだいたいその子目当てなのよね」


すごい。


そんなモテてる人いるんだ……


まるで輝楽さんみたい。


「すごいですね」


「そうなのよ~その子が来たことで、間違いなく売り上げが上がったの」


きっと素敵な人なんだろうな。


会ってみたい……


って、あ……


話が脱線しちゃったけど、お願いしなきゃ。


「あの、それで小夜さん」


「何かしら?」


「しばらくここに住まわせてもらえませんか?」


ダメって言われる可能性もある。


ドキドキしながら、小夜さんの返事を待っていると……


「もちろんいいわよ!連絡は私から裕美さんにするわね。その方がいいでしょう?」


「はい、お願いします」


よかった…… 


顔を上げると、にっこり笑った小夜さんが見えた。


「その代わり……」


あっ、何か条件があるんだ……


でも、それは当然。


無料で住ませてもらうわけだから。


ゴクッと喉を鳴らして、その言葉の続きを待つ。


「うちの店でバイトをしてもらうわね」


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