いつの間にか、君に恋していたんだ。


嘘、ここなの……?


まさかの場所に驚いてしまった。


ここ、夜の星は男女共に人気のカフェで、内装もとてもオシャレ。


テレビでも取り上げられたことのあるくらいの人気店。


しかも、店員さんは皆美男美女らしい。


目の保養になるってことで来る人も多いみたい。


「小夜さんはここのオーナーなんですか?」


「そうよ」


「あ、あの、私美女じゃないですけど……」


「美少女でも大丈夫よ?」


何言ってるんだろう、この人は……


私、美少女ですらないのに……


皆美形らしいから、確実に私は浮いてしまう。


お客さんも私でがっかりしてしまうよね。


「私、そもそも美少女でもないです。私が入っても何の得もないですよ」


「伊鳥ちゃんはほんと無自覚ね。小鳥に似てるわ」


久しぶりに聞いたお母さんの名前。


無自覚……?


確かに、お母さんは無自覚だったけど……私はそうじゃない、よね?


でも、それはいろんな人に言われてるけど……


「大丈夫よ。それに、やるって言ったのは伊鳥ちゃんでしょう?」


意地悪くそう言われて、何も言えなくなった。   


確かにそうだ……


「そうですね。私なりに頑張ってみます」


それが条件なんだし、顔は良くなくても仕事はきちんとしよう……!


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