いつの間にか、君に恋していたんだ。
「あの、何ですか?」
「ふふふっ。伊鳥ちゃんの髪って長いでしょう?だから、結んであげようと思ったのよ」
あぁ、なるほど。
さすが、小夜さん。
私、そんなこと思いつかなかった。
「じゃあ、お願いします」
「任せなさい!」
私の髪を結んでいる間、小夜さんはすごく楽しそうで。
どうして、そんなに楽しそうなんだろうって逆に不思議に思ってしまった。
「はい、できたわ!」
鏡を渡されて、見てみると……
「えっ、ツインテールですか?」
そう、ツインテールだった。
可愛い人がやると似合うんだろうけど、私がやると妙に幼く見える。
この制服により似合わなくなってきた気がする。
「似合うわね~」
「私はそうは思わないですけど……」
身内の贔屓って、ほんとにすごい。
だって、私には明らかに似合ってないから。
……これで接客するんだよね。
「えぇ?似合うわよ!綺麗より可愛いって感じね!」
うーん、それはいいのかな……?
っていうか、小夜さん可愛いしか言ってないよ。
「神崎君、今度も絶対見惚れるわよ~」
何を言ってるのか分からない。
輝楽さんが見惚れる……?
そんなわけない。
こんな姿見て、見惚れるなんてありえない。
自分の顔が綺麗だというのに……
「えっと、じゃあ行きます。髪、ありがとうございました」
「えぇ、どういたしまして!頑張って!」
「はい」