いつの間にか、君に恋していたんだ。


このまま行くのは少し抵抗があったけど、とりあえず行くことにする。


ここでごねてもしょうがないし…… 


部屋を出ると、ずっと待っていてくれてた輝楽さんが立っていて。


ゆっくりこちらに目を向けた。


すると、何故か分からないけど固まった。  


「えっと……輝楽さん?」


目線は私の髪にあった。


あ、もしかして、似合わないって思われてるのかな……?


それとも、幼いとか……?
 

自分で似合うと思ってないから、期待はしてないけど……もしそうだったら、悲しいと思う自分がいた。


私って面倒くさいな……


「これ、似合わないですよね」


無理矢理浮かべた作り笑いをしながらそう言うと、輝楽さんは首を振る。


「いや、違う……むしろ、その逆」


最後の方のは聞こえなくて、キョトンとしてしまった。


「はぁ。何でこんなに……」


いつまで待っても、その続きを語ることはなくて。


じっと私を見ながら、私の手を掴んで歩き出した。


「なるべく他の奴に見せないで」


「えっ……?」


私の頭が悪いせいか、その言葉の意味が分からなくて……
 

私は首を傾げる。


「分かんないならいい。その格好で接客やってほしくないけど、しょうがないから。俺の目の届く範囲で仕事をしてほしい」


真剣な目……


それにドキッとしてしまった私は、目をそらしつつ頷いた。



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