いつの間にか、君に恋していたんだ。


少しバツの悪そうな顔をしていたけど、注文を言っていく。


この2人は仲良いんだな……


「か、かしこまりました。カルボナーラに季節の盛り合わせジャンボパフェとドリアです、ね。し、少々お待ちください」


慣れないからぎこちなくなってしまうと、少し笑われてしまう。


「あはは。店員さん、バイト初めてな感じ?きごちないよ」


「でも、可愛いわね」


「え、えっと……」


どう言えばいいのか分からず、困ってしまった。


「あっ。わ、私とりあえず戻りますね」


私のコミュニケーション能力のなさに自分で呆れた。


あれじゃ、逃げたみたいだよね……


ため息をついた後、厨房にオーダーを伝えに行った。


「伊鳥ちゃん、どうだった?」


「あ、えと口調がぎこちなくなっちゃいました。バイト初めてなので」


「あぁ、そっか。でも、大丈夫。すぐ慣れるから」


そ、そうかな……?


なかなか慣れないような気もするけど……


「緊張してんの~?」


「ひゃっ……」


いきなり声をかけられた上、肩まで触られてびっくりした。


「ひゃっって可愛い~神崎に教えてもらうのやだろ?俺なら、優しく教えてあげられるよ?」


な、なんかチャラい人……


輝楽さんとは正反対の人っぽいけど。


輝楽さんに教えてもらうのがやだなんて言ってないけど、どうしてだろう……?


“俺なら”って輝楽さんは十分優しく教えてくれるのに……


意味が分からなくて首を傾げていると……
   

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