いつの間にか、君に恋していたんだ。
それに嫌な顔しないお姉さん達はいい人だと思う。
にこにこ明るくて、きっとモテる人。
注文の品を置いて、私の最初の仕事は終わった。
それからもオーダーが来るたびに行って、聞いて。
それを繰り返した。
そうしていくと、輝楽さんの言っていた通りだんだん慣れていって。
今ではスムーズに言えるし、素の笑顔じゃないけど営業スマイルも浮かべることができる。
「琴月さーん、お願い!」
「あ、はい」
そのまま向かおうとすると、私を睨んでいた人とすれ違った。
「調子乗んなよ」
すれ違いざま、低い声でそんなことを耳で囁かれる。
うぅ、怖いな……
気にしないようにしながらそのテーブルに向かうと、ガラの悪そうな人達が座っていた。
な、なんか怖い。
勇気を振り絞ってその席に行き、笑顔で注文を聞く。
「ご注文は何ですか?」
「うわ、可愛い~」
「ここの店員が美男美女ばっかりっていうのは本当みたいだなー」
「ねぇねぇ、バイト抜け出して俺達と楽しい遊びしない?」
は、話を聞いてない。
そもそも、可愛くもないのに……前の人とかもそうだったけど、このお客さん達も目が悪いのかなと思いながら、口を開く。