いつの間にか、君に恋していたんだ。


「えっと、私は注文を聞いているのですが……」


「ほんと可愛いね~いいから、行こうよ!」


「そうそう」


「その制服も超似合ってる!その下は、何履いてんの?」


全く話を聞いてくれない。


それどころか、身体を触ってきだしたから怖くてしょうがない。


それに仮にもお客さんだから失礼かもしれないけど、気持ち悪い……


ジワッと涙が出てきた。


「うわ、泣き顔もマジ可愛いんだけど!」


「泣いちゃうの?」


「拭ってあげようか?」


助けて……


助けてください、輝楽さん……


ぎゅっと目をつぶって、心の中で助けてを求めると、


「何やってんですか?」


後ろから輝楽さんの声がして……後ろを振り向くと、輝楽さんが立っていた。


とても怖い顔で。


「べ、別に何も……」


「ここはキャバクラとかじゃないですよ。この子に汚らわしい手で触らないでもらえます?」


その声には威圧感があって、とても怒ってるのが分かる。


「チッ」


舌打ちはしてたけど、輝楽さんに対して怯えの混ざったような顔で見ていて。


そのまま店を出ていった。
  

……よかった。


「輝楽さん、ありがとうございました」

 
「どういたしまして。それより、伊鳥ちゃん来て」  


輝楽さんは私の手を引っ張った。


そのまま歩き出し、私もそれに続く。


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