いつの間にか、君に恋していたんだ。


はぁとため息を吐いていたら、家についた。


鍵を開け、中に入る。


靴を脱ぎ、手を洗ってソファにくつろぐ。


家が1番好きだ。


女につきまとわれることがないから。


唯一、落ち着ける場所



それから少し時間が経って、太陽が帰ってきた。


「ただいま!」


帰ってきたな。


それだけ考えていて、俺はその次に聞こえた小さな声に気づかなかった。


太陽が入ってきて。


「太陽、おかえ……」


それから、声が出なかった。


なぜなら、太陽の後ろに続いて女が入ってきたから。


「何、その子」


自惚れてはいないけど、その女は明らかに俺に見惚れてる。


結局、この子も顔か。


そう思って、冷たい声になった。

顔もきっと冷たい。


「この子は琴月伊鳥。俺の友達なんだ。大丈夫、輝楽兄が思ってるような子じゃないから。今日から母さんがいないから代わりに家事をしてもらうだけだから、迷惑はかけない」  


ふーん。

 
その子をじっと見ると、俺に怯えてるのかビクビクしてる。


「え、えっと、よろしくお願いします」


よろしくなんか、したくない。


でも……するしかないんだ。


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