いつの間にか、君に恋していたんだ。
きっと、伊鳥ちゃんのことが可愛くてしょうがないから、余計に不安なんだろう。
「じゃあ、伊鳥ちゃん。さっそく接客してもらうわよ。神崎君と一緒に行ってちょうだい」
「はい、分かりました」
俺と伊鳥ちゃんが出ていこうとすると……
「あ、やっぱり待ってちょうだい」
「えっ……」
オーナーに引き止められた。
何だ……?
「神崎君は先行ってて」
「……分かりました」
その顔は悪戯っぽく笑っていて、少し嫌な予感がした。
また部屋から出て、伊鳥ちゃんが出てくるのを待つ。
オーナーに何させられてるか分からないから、不安だ。
そのまま少し待つと、伊鳥ちゃんが出てきた。
伊鳥ちゃんに目を向けると、また固まってしまった。
「えっと……輝楽さん?」
伊鳥ちゃんは困ったように首を傾げているけど……
勘弁してほしいと思った。
今、伊鳥ちゃんのしている髪型はツインテール。
それがとても可愛い。
どんな髪型をしてもそう思うだろうけど、可愛い伊鳥ちゃんにツインテールはよく似合っていた。
「これ、似合わないですよね」
「いや、違う……むしろ、その逆」
伊鳥ちゃんは全く分かってない。
俺がどんなに伊鳥ちゃんのその姿を可愛いと思ってるか。
どれだけ見惚れているか。