いつの間にか、君に恋していたんだ。
「本気なんだ?」
「そうですよ」
軽く声かけてるだけの氷河先輩とは違う。
俺は本気で伊鳥ちゃんのことが好きなんだ。
「まぁ、いいや。それにしても、伊鳥ちゃんその髪型可愛いね。ここの制服も似合ってる」
「あ、ありがとうございます」
伊鳥ちゃんは嬉しそうな顔でお礼を言ってるから、余計にイライラする。
「もういいじゃないですか。自分の仕事に戻ったら、どうですか?」
「おー、そうするわ~」
イライラが最高潮になりそうで、さっさとどっかに行ってほしかった。
氷河先輩が仕事に戻って、息をつく。
「はぁ。やっぱり、先輩達でも油断できないな」
ぽそりと呟くと、伊鳥ちゃんは不思議そうな顔をしてた。
「何ですか?」
「何でもない。俺達も仕事に戻ろう」
誤魔化して、仕事に戻ろうと促す。
まさか、自分がこんな状態になるなんて思わなかった。
まだ付き合ってもないのに、嫉妬深すぎ。
ため息を吐いた後で、伊鳥ちゃんを見ると、立ち止まったまま何か考え事をしているようで……
「どうかした?」
「あ、いえ。何でもないです。お料理、運びますね」
笑って、料理を持って運んでいった。
伊鳥ちゃんが行って、俺も料理をさっきオーダーを聞きに行ったテーブルへと運ぶ。