いつの間にか、君に恋していたんだ。
今となっては慣れた仕事。
マニュアル通りのことを言って、営業スマイルを浮かべる。
前はできなかったけど。
仕事をしつつ伊鳥ちゃんを見ていると、すぐに慣れていったみたいで営業スマイルも浮かべるようになっている。
正直、あんな可愛い笑顔を他の奴に向けてほしくないけど……
でも、そうも言ってられない。
「ご注文は何ですか?」
「うわ、可愛い~」
「ここの店員が美男美女ばっかりっていうのは本当みたいだな」
「ねぇねぇ、バイト抜け出して俺達と楽しい遊びをしない?」
伊鳥ちゃんは今度はいかにもガラが悪そうな客の相手をしている。
「えっと、私は注文を聞いているのですが……」
「ほんと可愛いね~いいから、行こうよ!」
「そうそう」
「その制服も超似合ってる。その下は何履いてんの?」
何、触ってんの?
結構距離が近いから、会話の内容は丸聞こえで。
どんどんイライラしてきた。
「うわ、泣き顔もマジ可愛いんだけど!」
「泣いちゃうの?」
「拭ってあげようか?」
もう我慢の限界。
汚い手で伊鳥ちゃんに触るなよ……
「何やってんですか?」
伊鳥ちゃんとガラの悪い客を引き離した。
そして、俺が間に入る。