いつの間にか、君に恋していたんだ。
「えぇ、それに美味しそう」
「美味しいよ。小夜さん、料理上手だから。私も見習わないとね」
「伊鳥だって、十分料理上手じゃない!」
「小夜さんほどじゃないよ」
「出た。伊鳥の異様なくらいの謙虚さ」
別に謙虚とかじゃないんだけどな。
本当のことを言ってるだけ。
でも、それを言っても、どうせ信じてもらえないから言わない。
「由香ちゃん。肇さんと仲良くしてる?」
「はっ!?」
話題が急過ぎたせいか、由香ちゃんはすごく驚いてる。
「な、何で肇が出てくるのよ!?」
「気になったから。それに、あれから会ってないしね」
また会いたいなぁ……
会って由香ちゃんの話を一緒にしたいし、聞きたい。
「別に普通よ」
ふふっ、肇さんの話をした時の由香ちゃんは可愛い。
私は前、こんな顔をしてたのかな……?
「そ、それより、伊鳥ってバイト始めたのよね?どんな感じ?」
「結構上手くやれてると思うよ。もう慣れたし、笑顔も自然に出るようになったから。それに、先輩達も優しいし」
分からないことがあったら、優しく教えてくれる。
ただ、やっぱり木梨先輩だけは怖いけど……
木梨先輩は輝楽さんのことが好きみたいで、輝楽さんと比較的仲良い私を良く思ってない様子。
今は行動に移されてない分、いいんだけど……