いつの間にか、君に恋していたんだ。


体調は全然悪くない。


ただ、違和感を感じていた。


私がやってない気がするのに、勝手になるのはおかしい。


少し様子を見てみようかな……


仕事をこなしていくごとに増える小さなミス。


今までこんなことなかったのに……


初めてだからこそ、戸惑ってしまう。


これ以上のことが起きなければいいけど……


私はこの時、きっと不安そうな顔してたと思う。


そんなある日、大きな事件が起きた。


「あ、ねぇ琴月さん。会計変わってくれない?」


木梨先輩にそう頼まれたけど……怖い。


でも、先輩だから言うこと聞かないわけにもいかない。


「分かりました」


「お願いね」
 

軽やかな足取りで戻っていく。


すごく不安……


この時から嫌な予感で心臓が嫌な音を立てていた。


何とか笑顔を保ちつつ、その日の仕事は頑張った。


「あら?どういうこと?3万円もなくなってるわ!」


次の日。


私はちゃんとシフトを自分で入れたから、バイトに行った。


すると、小夜さんのそんな声が聞こえてきたんだ。


「えっ、3万円も!?」


「嘘、誰が……」


途中からやって、会計を最後までしていたのは私。


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