いつの間にか、君に恋していたんだ。
ってことは、私が疑われるよね……
「昨日、会計誰がしたっけ?」
「えっと、確か胡桃だったはずだけど……」
「私やってないよ。琴月さんに代わってもらったんだ」
すると、一気に視線が私の方へと集まった。
「嘘っ、伊鳥ちゃんが!?」
「ありえない!」
「琴月さん、ほんとにやったのか?」
「んなことしてねえよな!?」
もちろんやってない。
そもそも、そんなことしたくもない。
そう口にしようとしたら……
「あ、でも私見たの。琴月さんが3万円入れるとこ」
木梨先輩が先に口を開き、不敵な笑みを浮かべた。
多分、この人だ……
そう確信する。
今までシフトを勝手に入れたり、オーダーミスも。
そして、3万円を取ったのも、きっとこの人。
私が輝楽さんと仲良いからだよね。
でも、証拠がない。
「魔が差しちゃったんでしょ?」
「違います。私はそんなことしてません」
私が持ってるわけない。
でも、木梨先輩の顔には余裕があった。
相当自信があるみたい。
「ねぇ、琴月さんのロッカー開けてみてよ。そこにあるから」
その言葉を聞いた時、ドクンと嫌な音が立つ。
まさか……
でも、私の予想が当たってたら、木梨先輩の顔に余裕があるのも頷ける。
反対に私はピンチだ。