いつの間にか、君に恋していたんだ。
その言葉に目を見開く。
……いいんだ。
この人は特別なのかな。
従姉妹ってこともあるけど、それ以上の何かがあるのかもしれない……
それにショックを受ける必要なんてないのに……
ズキッ……
胸が痛い。
「うわぁ、ありがとう!輝楽兄達と過ごすの久しぶりだから嬉しい!」
にこにこ嬉しそうに笑っていて、もう限界だった。
「あ、あの。私、もう帰らせてもらいますね」
「あ、伊鳥ちゃん。もう暗くなったし、送るよ」
「いえ、大丈夫ですから。じゃあ」
輝楽さんのありがたい申し出を断って、私は歩き出す。
頭の中はごちゃごちゃで、黒く染まった心は変わらない。
こんな強い感情、知らない……
でも、まだ分からないから。
少しは希望を持っとこうかな……
そう思って、自分を慰めるしかなかった。
「伊鳥、どうしたの?さっきからぼーとしてるけど」
久しぶりの学校。
始業式はもう終わって、昼休み。
ぼーとしていた私に由香ちゃんが心配そうな声で聞いてくる。
「えっと……」
ここで何でもないよって言っても、きっと由香ちゃんにはバレる。