いつの間にか、君に恋していたんだ。


今までそうだったから。


「あのね……」


昨日の出来事を包み隠さず全て話した。


でも、その時の私の感情は一切言ってない。


「なるほどねーそんな人が」


「うん。輝楽さんと本当にお似合いだった」


思い浮かべそうになって、私は頭から追い出した。


本当に私は……


「それにしても、そこまで来てまだ……」


呆れ顔の由香ちゃん。


私も分かってはいるんだよ。


でもね、辛くなるだけって分かってるから、あまり思いたくないの。


でも、そういうわけにもいかないんだね。


「あ、伊鳥ちゃん!」


シフトを入れてないからそのままマンションへと向かっている途中で、紫織さんに出会った。


にこにこ明るい笑顔で接してくれる。


「紫織さん」


「学校帰り?」


「はい」
 

「うわぁ、制服姿可愛いね!」


「ありがとうございます」


お世辞に少しだけ笑った。


心からは言えてないと思うけど……


「もう学校なんだねー。私のところはまだ夏休みだよ」


「私のところはって、もしかして紫織さんって高校生なんですか?」


「うん、そうだよ!」


輝楽さんと同じくらいの歳かと思った……


でも、輝楽兄って呼んでるし、よくよく考えてみたら分かることだよね。


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