いつの間にか、君に恋していたんだ。
「意外?」
「はい、輝楽さんと同い年かと思ってました」
「あははっ!私、輝楽兄って呼んでたんだから年下に決まってるよ。とはいっても、1個しか変わらないけどね!」
「そうなんですね」
私の2個上ってことだけど……それでも、私が紫織さんと同い年になっても、私はこんなに大人っぽくなれない。
暗い感情に引きずり込まれる。
自分に対する劣等感が出てしまう。
こんな面倒くさい人、誰だって嫌だって思うよね。
「あの、紫織さんに聞きたいことがあるんですけど……」
「ん、何?」
こんなこと聞いても、もしかしたら私の状態が酷くなるだけかもしれないのに……
「紫織さんって、輝楽さんの恋人ですか?」
不安や期待でドキドキする心。
それを抑えて、私は紫織さんを見つめる。
「うん、そうだよ」
にっこりと笑い、肯定の言葉を言って、頷いた。
ズキリとまた胸が痛む。
「……そう、なんですね」
無理やり笑顔を作った。
引きつってないかな……?
「じゃあ、私はあまり輝楽さんといない方がいいですね」
「ううん、そんなことしなくていいよ」
彼女さんだったら、普通そんなこと言えない。
紫織さんは心が広いのかな……?