いつの間にか、君に恋していたんだ。
何を言ってるのか分からないけど、悪口じゃないよね?
自分に姿は見えないから、自分の髪に視線を流した。
そんなに変かなぁ……
教室に着くと、やっぱり注目される。
うぅ、慣れない……
こっちをじっと見られて、やっぱりなんか言われていて。
女の子は悪口だろうし、男の子は分からないけど似合ってないとかそんなことを言ってるのかな……
縮こまっていると……
「伊鳥!」
由香ちゃんが私の教室に来た。
よかった……
そんな私のもとに、由香ちゃんはすごい勢いで来た。
「今、伊鳥の噂聞いたんだけど、本当に髪切ったのね!」
由香ちゃんの口から気になる単語が出てきた。
噂……?
「噂になってるの?」
「そうよ!」
私が髪切っただけなのに。
まさか、噂になるなんて……
きっと似合ってないとかそういう噂なんだろうけど……似合う人が羨ましいな。
「ちなみに噂っていうのは、髪短くなった伊鳥も可愛いって噂よ。私の教室の男も言ってたし」
「えぇ、嘘だよ。それ、誰かと間違えてるんじゃないかな」
だって、私は可愛くない。
誰と間違えたんだろう……?
「もうっ!伊鳥の無自覚さは健全よね。まぁ、そこも可愛いけど!」
そう言うと、ぎゅっと抱きつかれた。
「由香ちゃんはほんとそればっかりだね」
苦笑いをして、由香ちゃんを受け止めた。
その日、妙にずっと注目されていたんだ。