いつの間にか、君に恋していたんだ。


「あ、伊鳥!」


今日は1人で帰ろうと校門を出ようとしたら、太陽君に呼び止められた。


「太陽君」


「伊鳥、本当に髪切ったんだな!似合ってる!」 


「ありがとう」


告白はされたけど、気まずくなることはない。


太陽君のおかげだね。


「なぁ、伊鳥。今から俺達のマンションに来てくれない?」


「えっ、それはいいけど……」


「よし、なら行くぞ!」


もう終わったのに、どうして誘われるんだろうって思ったけど、とりあえずついていく。


「なぁ、伊鳥」


「何?太陽君」


「最近元気なかったのって、輝楽兄と紫織が恋人同士だと思ってるからだろ?」


言い当てられてびっくりした。


でも、思ってるじゃない。


だって、本人に直接聞いたから。


「性格悪いもんだよ、紫織も」


「えっ、どうして?」


「とりあえず、それ違うから。輝楽兄に聞いてみた方が早いだろ」


それって、どういうことなんだろう……?


よく分からなかったけど、マンションに着いて上がる。


「お邪魔します」


中に入ると、輝楽さんと紫織さんがいた。


「伊鳥、ちゃん……」


「髪切ったんだね」


2人は驚いたような顔をしていて。


学校の人達と同じ反応だった。


< 213 / 326 >

この作品をシェア

pagetop