いつの間にか、君に恋していたんだ。


「あぁ、もしかしたら、それ女嫌いの原因になった夢見て言ったのかもしれない」


苦々しそうな顔でそう言った。


女嫌いの原因……?


「あ、もしかしてあれ?あれのこと?」


「あぁ、多分紫織が思い浮かべてるのと一緒」


「あはは」


紫織さんはそれが何も指すのか分かってるみたい。


太陽君も。


何なんだろう……?


「その原因って何なんですか?」


「俺、昔から女が嫌いだった。っていうより、昔は苦手だったっていう方がいいな。まだその頃はマシだったんだ。そんな時、紫織がお節介を働かせて女を家に連れ込んできた。その女達は気持ち悪い声で呼んだり、触ってきたりしてきてさ。それから、もう女がダメになった」


あぁ、なるほど……


それで、女嫌いになっちゃったんだ……


家に来るとなると、相当距離が近いだろうし、そうなるよね。


「まさか悪化しちゃうとは思わなかったんだよ!」


「普通悪化すると思うけどな!紫織がバカなだけじゃね?」


「何ですって、太陽!」


太陽君が珍しく毒を吐き、それに対して紫織さんが怒ってる。


「そうだったんですね」


「誤解は解けた?」


「はい。勘違いしてしまってすみませんでした」


「いや、元は紫織が悪いから」


ギロッと紫織さんを睨む輝楽さん。


「うわっ、怖い!」


「自業自得だろ!」


「太陽は何でそんなに私に当たり強いの!」


その会話を聞いてたら、おかしくなった。


ふふっ。


全部私の勘違いだった。


髪を切る必要もなかったけど……


この髪については輝楽さんや紫織さん似合ってるって言ってもらえた。


バイトの人からもお世辞で可愛いって言ってもらえたんだ。


だから、よかったってことにしようかな。


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