いつの間にか、君に恋していたんだ。


明らかに私、私以外のクラスの女の子で分裂していた。


男の子達はそんな女の子達を引いた目で見ていた。


「うわっ、女子怖っ!」


「っていうか、琴月さんが男好きなわけなくね?」


「そうそう!」


女の子達は私を敵視していて、男の子達は私のことを擁護してくれてる、そんな関係ができていた。


でも、これは火に油を注ぐようなもので……


「男子は琴月さんを庇うわけ?」


「男子は琴月さんの見た目に騙されてるだけでしょ!」


「顔だけは綺麗だものね!」


クラスで女の子と男の子で対立状態。


私のせいでこんなことになんて……


でも、私はそれを止めることはできなかった。


このままだと学級崩壊になっちゃうかも……


不安が私を取り巻いた。


「伊鳥、どうした?」


それがきっと顔に出ていたんだと思う。


太陽君が心配そうな顔で聞いてきた。


「ううん、何でもないよ」


私は隠して笑う。


そんな私に太陽君は少し悲しそうな顔をして……


「また言ってくれないんだな」


「えっ」


また言ってくれない、それって輝楽さんと紫織さんのことで苦しんでた時に誤魔化した時のことだよね。


< 220 / 326 >

この作品をシェア

pagetop