いつの間にか、君に恋していたんだ。
氷河先輩が気づいたってことは、きっと輝楽さんも気づいてる。
だって、輝楽さんは本当に鋭いから。
きっと、過去のことも言わないといけないんだろうな……
覚悟をして、それから仕事に切り替えた。
輝楽さんと咲を見るのはきつい。
やっぱり好きな人と美人な咲が一緒に並んでるのを見たくないから。
私とは違ってお似合いだと思ってしまう。
何とか耐えて、営業スマイルを絶やさず、自分の仕事をこなした。
「冰室さん、どうでした?」
「一生懸命やってたよ。もともと、要領いいみたいですぐ覚えたし、呑みこみも早い。あれはすぐ慣れると思う」
「そうですか」
バイトが終わって、輝楽さんと一緒にマンションへと向かった。
咲は確かにちゃんと仕事をこなしていた。
私みたいな失敗はしてないみたいだし。
「それより、冰室と何かあったの?」
じっとこっちを見つめてきた。
やっぱり聞かれるよね……
「どうしてそう思うんですか?」
「あの会話聞いてたら、誰だってそう思う。もうそろそろ、過去のことも含めて話してほしい」
真剣な瞳で見られて、私は降参した。
もともと、覚悟はしていたから。
「分かりました。ちゃんと話します」
今日がその時。
本当はわざわざ話すまでもないような過去だと思うけど……
着いたら太陽がいて、すぐに話す形になった。
「あれは……」