いつの間にか、君に恋していたんだ。
過去、そして向き合う決意


私が中学生の頃。


まだ入学したばっかりで、その時はまだお母さんやお父さんと幸せに暮らしていた。


友達もできるか不安だったけど、その不安はすぐに消えた。


「ねぇ、名前なんていうの?私は冰室咲!友達になろうよ!」


真っ先にそう言ってくれたのは咲で、気が合いすぐに友達になった。


由香ちゃんと同じくらい仲良くなれた子。


そんな子は初めてだった。


「ねぇ、伊鳥は何の部活に入るの?」


「私は美術部に入りたいなって思ってるよ。絵を描くのが好きだから」


「なら、私も美術部入る!」


「でも、いいの?絵を描くのが嫌いだったら、無理に合わせなくても……」


「違う!私が伊鳥といたいの!」


そんな理由から、一緒の部活に入った。


もう親友と呼べる仲まできていたんだ。


すごく幸せで、嬉しくて……


そんな時、お母さんが事故で亡くなった。


私とお父さんは悲しみ、でも変に気を遣わせないためになるべく明るくするようにしていた。


まもなく再婚して、裕美さんが義母に、奈々美さんが義姉になったわけだけど……


それからだった。   


苦しい生活が始まったのは……


「苦しいね。でも、大丈夫!私がずっと一緒にいるから!」


咲や由香ちゃんが励ましてくれて、本当によかった。


でないと、本当に壊れていたかもしれない。


「ありがとう」


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