いつの間にか、君に恋していたんだ。


少しよろけてしまったけど、私も抱きしめ返した。


「ねぇ、校門まで一緒に行こう!」


「うん」


咲と並んで一緒に校門まで歩く。


なんか、昔に戻ったみたい。


「あ、伊鳥!」


「伊鳥ちゃん」


校門に着くと、太陽君と輝楽さんが立っていた。


「太陽君、輝楽さん……」


びっくりしながらも、嬉しく思う。


心配してくれたのかな?


「じゃあ、伊鳥バイバイ!私達はこれから親友だよね!」


「うん、そうだよ!バイバイ!」


咲の明るい笑顔に絆されて、私も笑顔で手を振って挨拶した。


「よかったな、伊鳥!」


「上手くいったようだね」


太陽君も輝楽さんも笑顔で労ってくれた。


「はい、ありがとうございます!」


咲と親友に戻ることができたのは、2人のおかげ。


「伊鳥ちゃん、今日俺達のとこに来なくていいから。今度は家の問題と向き合ってきなよ」


「そうそう!それを言いに来たんだ!」


わざわざそれを言いに来てくれたんだ……


確かにそうだよね。


「すみません。そうします」


「伊鳥、頑張れ!」


「大丈夫。きっと上手くいくよ」


「はい!」


2人は本当に優しい。


家のこともそろそろケリをつけなきゃ……


< 248 / 326 >

この作品をシェア

pagetop