いつの間にか、君に恋していたんだ。
奈々美さんは輝楽さんのことをよく知ってるな。
好きだったりするのかな?
「まぁ、そんなすごい人がいるのね」
「うん。あんた、身の程を知りなさいよ。あんたみたいに可愛くもない奴が輝楽さんと釣り合わないし、話す資格もないんだから!」
「そうね。迷惑をかけないようにしなさい」
言葉って、本当に見えない凶器だね。
でも、それは分かってるつもり。
私は別に神崎さんのことを好きってわけじゃないし、もし好きになったとしても釣り合うわけないから辛いだけだって分かってる。
「はい、分かってます」
そんなことになるわけにはいかない。
ちゃんと気をつけないと……
「……っていうことがあったんだ」
全て話すと、由香ちゃんは嫌そうな顔で叫ぶ。
「あーもー!あの人達、ムカつく!伊鳥に暴力振るった上に可愛くないですって!?あの人の目、腐ってるわ!こんな可愛い伊鳥のどこが可愛くないのよ!?」
「由香ちゃん、ありがとう」
私の代わりに怒ってくれる由香ちゃんに、私は次第に気分が晴れていった。
優しく親友を持てて、幸せだなぁ。
お世辞でもそんなことを言ってもらえるなんて。
「お世辞じゃないんだけど……あー、この子に分からせてあげたいわ。モテるってこと」
何やらぶつぶつと呟いている由香ちゃん。