いつの間にか、君に恋していたんだ。
薔薇と告白


それから、咲とは友好的な関係を築けていた。


「おはよう、伊鳥!」


「おはよう、咲」


クラスの女の子はびっくりしていたけど、咲が私に友好的に接するようになったからか、話しかけてくれるようになった。


分裂していたのが、元に戻ってホッとする。


ううん、むしろ良くなったかも。


前までは他の女の子から声をかけられることなんてなかったから。


それは私のせいだとしても、声をかけてもらえるのは嬉しかった。


「伊鳥ー!」


「えっ、わっ……」


この頃、なんか咲は由香ちゃんに似てきて、抱きついてくるようになった。


その拍子に転びそうになるけど、由香ちゃんが支えてくれる。


「ちょっと、伊鳥から離れなさい!」


「嫌です。そもそも、玉城先輩に言われる筋合いありませんから」 


「何ですって!」


咲と由香ちゃんは合わないみたいで、しょっちゅう喧嘩してる。


なんか、不安になるけど、喧嘩するほど仲が良いって言うし、仲良くなれるよね。


そう思いながら2人のやりとりを聞いていた。


最近は平和ボケしてしまって、また新たな問題が起こるなんて思いもしなかったんだ。


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