いつの間にか、君に恋していたんだ。
びっくりして輝楽さんを見ると、真剣な顔で。
まさか、そんなことを聞かれるなんて思わなかった。
角度的にはそう思われても仕方ないだろうけど……
「いえ!唇じゃなくて、ほっぺですよ」
唇にはされたことがない。
「そっか。なら、よかった。それと、余計なお世話かもしれないけど、さっきの奴ともちゃんと話した方がいいよ」
「はい、そうですよね。ありがとうございます。じゃあ、輝楽さん。さようなら」
「またね」
スッキリしたような表情で去っていった。
誤解が解けて、もう本当によかった。
あとは頼君との問題だけど……こっちから連絡することはできないし。
うーん、困ったね。
なるべく今日中に解決してしまいたいのに……
思い悩んでいると、ちょうど電話がかかってきた。
「もしもし?」
『もしもし、伊鳥。今から話せるか?』
ちょうどいいタイミングでびっくりしたけど、頷いた。
「うん、いいよ」
「なら、青野公園に集まろう」
「分かった」
そこでプツッと切れて、私はホッとしたような緊張してるような複雑な気持ちで向かった。
これで、全ての過去にケリをつけられたらいいなと思いながら。
着いたけど、まだ頼君は来てなかった。
もう少ししたら来るよね。
それから数分後、頼君が来た。