いつの間にか、君に恋していたんだ。
何言ってるかは分からないけど、本当に幸せだな……
由香ちゃんは私のことをちゃんと考えてくれるから。
「そういえば、神崎太陽に行ったのよね。神崎輝楽先輩、いたの?」
「うん、知ってるんだね」
「もちろん。あの人は有名人だもの。去年までいたんだけど、人気は凄まじかったわ。ファンクラブもできてたみたいだし。クールで女嫌いだったから、女は相手にしなかったみたいだけど」
ファンクラブ……そんなモテる人だったんだ。
奈々美さんがああいうのも分かるかも。
「はっ、その王子が伊鳥のこと好きになったら、伊鳥のこと取られちゃう!」
今度は少し焦ってる。
由香ちゃん、面白いなぁ……
「大丈夫だよ。あんなイケメンで女嫌いの人が私のことを好きになるわけないから」
「伊鳥だからありえるんですけど」
小さい声で呟かれたから、私には聞こえなかった。
「由香ちゃん、何言っ……」
「伊鳥、おはよう!」
「あ、太陽君。おはよう」
私の言葉を遮って、元気な太陽君が挨拶してきた。
途端に、女の子からの鋭い視線を感じる。
「ずるい!」
「前まであんな感じじゃなかったのに、何で急に仲良くなったのかな」
「なんか悔しい」
女の子のやっかみって、本当に怖い。
奈々美さんもそうだけど。