いつの間にか、君に恋していたんだ。
付き合い始めて


私と輝楽さんは付き合い始めたわけだけど、なんか前より甘くなった気がする。


「伊鳥、一緒に行こう」


「はい」


朝は必ず待ってくれていて、一緒に学校に行く。


ぎゅっと手は繋がれていて、それも恋人繋ぎ。


「ほんと、伊鳥可愛い」


「最近そればっかりですね……」


こういうところとか。


ことあるこどに私を可愛いと言うようになった。


輝楽さんが甘すぎて恥ずかしい。


「ほんとのことだから」


さらっと言ってのけてしまう輝楽さんに顔が熱くなる。


「顔赤いよ」


「知ってますよ」


プクッと頬は膨らませて、輝楽さんを睨む。


絶対楽しんでるから。


「そんな顔しても、俺には可愛いだけだけど」


「なっ……」


より顔が赤くなっていった気がした。


ほんとに輝楽さんはずるい……


赤くなった顔を隠すように俯こうとしたら、輝楽さんの手が伸び阻止された。


「ダメ。可愛い顔、俺に見せて」


本当に輝楽さんは甘々で、最初の冷たかった態度はどこいったんだろうってまた思う。


こんな風に可愛いって連呼されるの慣れてないから、やめてほしい。


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