いつの間にか、君に恋していたんだ。
前太陽君にお願いされたスケッチブック。
どうしているんだろう……?
そう考えて、すぐに気づく。
もしかして、描いてほしいのかな……?
「あぁ。太陽だけなんてずるいし」
その顔は拗ねたような表情で、思わず笑ってしまう。
いつも大人っぽいのに、こんな子供っぽい表情するんだ……
「はい、描きますね」
「何笑ってんの」
すると、ジトッとした目で睨まれてしまった。
「ふふっ、すみません」
「明後日、覚悟しろよ」
笑いながら謝る私に、輝楽さんは糖度たっぷりの声で甘く囁く。
珍しく少し荒い口調で。
言葉の意味を考える暇なく、ばっと離れた。
……もう本当にずるいよね。
両手を自分の顔に当て、熱くなった顔を覆った。
明日の家デートをとても楽しみにしている私。
それが顔に出ていたみたい。
「伊鳥、嬉しそうだね」
学校では咲と完全に一緒にいるようになって。
移動教室の時、そう言われた。
もちろん、隣に由香ちゃんはいない。
「そんなに顔に出てる?」
「うん、結構。輝楽さんとデートするんでしょ?」