いつの間にか、君に恋していたんだ。


「どうして?」


何で、知ったくらいで大騒ぎになるんだろう……?


あ、そっか。


輝楽さんが完璧だからだ……


この学校に来た時、輝楽さんは本当に人気だった。


男の子はよく分からないけど、女の子はきっとショックを受けるんだろうな……


だからこそ、輝楽さんに釣り合えるようになりたいと思うんだけど……


「あんたがモテるからに決まってるでしょ」


「私?私、モテてないよ?」


全く予想もしていなかった咲の言葉にキョトンとした。


咲はどこからそう感じてるんだろう……?


私がモテてるわけないのに……


「ほーんと、無自覚」


咲は呆れ顔で私を見つめ、また無自覚って言う。


「まぁ、いいや。その方が伊鳥らしいし」


それっていい意味なのかな……?


なんか、悪い意味な気がする……


そう思いながら、咲にふと気になったことを聞いてみた。


「そういえば、咲って付き合ってる人とかいないの?」


「いない。そもそも、好きな人すらいたことないし」


即答されて、少し驚いてしまった。


いないんだ……


咲はモテるんだし、誰かと付き合えばいいのに。


あ、でも、好きでもない人と付き合うのはよくないか。


私もそれで傷つけちゃったし。


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