いつの間にか、君に恋していたんだ。
「そうなんだね。でも、なんか意外」
「意外って何」
「咲、モテるから。付き合ってる人いるのかと思ったんだ」
「好きでもない人と付き合いたくないけど」
「うん、それがいいよ」
咲には好きな人と付き合ってほしい。
幸せになってほしいんだ。
「もし、咲に好きな人ができたらその人にちゃんと告白して、幸せになってね。後悔するようなことは絶対してないで」
「うん、分かった」
咲は私の言葉に頷いた。
「伊鳥って、ほんと優しいよね。私の幸せ願ってくれるとか。でも、そんな伊鳥だからこそ、私も幸せになってほしいと思うんだろうけど」
すると、そう言って小さく笑って、俯いてた顔を上げた。
「伊鳥に彼氏ができるのは寂しいつて思ったりもする。矛盾してるよね。でも、幸せになってほしいと思ってることは事実だから。伊鳥、明日の家デート楽しんできてね」
「うん!」
咲にそう言ってもらえたことは嬉しくて。
輝楽さんと明日家デートする、それとはまた別の意味でずっと浮かれていた。
「嬉しそうだね~なんかいいことあった?」
「はい、そうなんです」
私はシフトを入れてたけど、咲は入れてない。
輝楽さんはいるけどね。
「どうせ、その中には神崎関連のことも含まれてるだろ?」