いつの間にか、君に恋していたんだ。
漆黒の髪、切れ長の同じく漆黒の瞳。
鼻筋も整っていて。
欠点を見つける方が難しい。
こんな完璧な容姿の人が彼氏……そう思ったら、やっぱり釣り合ってないなって思ってしまう。
当たり前だとは思うけど……
「描けた?」
「いえ、まだです」
ネガティブに考えるのはやめて、ハイスピードで描き上げていった。
輪郭、瞳、鼻、口……
輝楽さんの顔が整いすぎてるのと緊張して少し手が震えてしまっているから、描きづらかった。
でも、なんとか頑張って進めていく。
「描けました」
描き終わった時、思い通りに描くことができて満足する。
これが輝楽さんに似てるかは別として。
「見せて」
「あ、はい」
やっぱり本人に見られてると思うと緊張したけど、輝楽さんに描いたものを渡した。
それを輝楽さんが見てる間、俯いて反応を待つ。
内心、心臓がバクバクいってる。
「やっぱり上手いな。俺にそっくり」
聞こえてきた言葉に安心して、顔を上げた。
「それなら、よかったです」
笑顔を輝楽さんに向けた。
きっと嬉しくてたまらないっていう笑顔を。
「……っ」
その私の笑顔に少し目を見開いた後、何故か顔を逸らした。
えっ、どうして……