いつの間にか、君に恋していたんだ。
あっという間に放課後になった。
「ごめん!俺、今日バイトあるの忘れてた!先行って、作っといてくれない?」
「うん、いいよ。そうするね」
「本当にごめん!美味い飯を期待してる!」
太陽君はそれだけ言って、ピュッと走っていった。
最後の言葉は若干プレッシャー感じるな。
それにしても、太陽君がいないってことは神崎さんと2人きりになるのかな……?
もしそうなら、緊張するな……
それとも、神崎さんいない……?
でも、そうだったらいいのにな……
なんて、こんなことを思ったら失礼だよね。
でも、神崎さんのことはまだ苦手意識があるんだ。
着くと、私の2番目の予想は外れて、入ると神崎さんがいた。
すごく無表情で。
それがかえって怖い。
「え、えっとお邪魔します」
「別にいい。てか、そんなこといちいち言わなくていいから」
「あ、はい」
昨日は神崎君がいてくれたからいいけど、今日はいないから不安だ……
「じ、じゃあ、さっさとご飯作りますね」
気まずさを避けるように、台所に逃げた。
冷蔵庫を見ると、最悪なことに何もない。
昨日、使い過ぎちゃったみたい。
「出かけるの?」
出かけるために靴を履いたら、それに気づいたみたいで声をかけられた。
正直、声をかけられるとは思ってなくてびっくり。