いつの間にか、君に恋していたんだ。
「は、はい。昨日使いすぎてしまったせいか、冷蔵庫にほとんどなくて……」
「あぁ、そういうこと。なら、俺も行く」
「えっ、いいですよ!悪いですから」
「女1人に行かすとか気分悪いから。別に伊鳥ちゃんのためじゃない」
そう言ってるけど、多分私のため。
こんなこと思ったら失礼だけど、神崎さんって意外に優しいんだな……
「ありがとうございます」
クスッと笑ってしまったら、また睨まれた。
「何笑ってるの」
「すみません」
でも、今回は怯えずにいられた。
まぁ、神崎さんは威圧感があるから怖いは怖いけど。
「ほら、さっさと行くよ」
「はい」
一緒に歩いていても、特に会話はなくただ気まずさだけがあった。
緊張感が漂ってる。
とはいっても、私だけだと思うけど……
「昨日なんかあったの?」
「えっ、どうしてですか?」
話しかけられたかと思えば、内容にびっくりした。
別にそんなこと言ったつもりないのに、どうして分かったんだろう……?
「そんな顔してたから。家事するのが面倒なら、来なくていいよ。その方が俺は嬉しいし」
はっきり言うな……
でも、そうじゃない。
「全然面倒じゃないです。ちょっと家の問題があって……」
全然親しくもないのに、私の家の状態を言うわけにもいかない。