いつの間にか、君に恋していたんだ。
想いを込めて


もうすぐバレンタイン。


好きな人に想いを伝えるイベントだから、皆浮き足立ってるように見えた。


「チョコ、誰に渡す?」


「私は太陽君!」


「私は名前言えないけど、好きな人に渡す!やっぱり手作りしたいよね!」


近くから、そんな女の子達の声が聞こえてきた。


男の子達はさりげなく聞いてるみたいで、気にしてるようだった。


それを見ながら、私達も喋り始める。


「そういえば、もうすぐバレンタインよね」


「私にはあんま関係ないけど、伊鳥や玉城先輩には関係あるんですよね。やっぱり渡すんですか?」


「あんたにそんなこと言う必要ないでしょ」


「玉城先輩はツンデレですもんね。まぁ、玉城先輩だけに聞いてるわけじゃないですけど」


「あんたって、生意気よね」


2人の言い合いに苦笑いした後で答えた。


「私は渡すつもりだよ。でも、お菓子を作ったことがないから、不安なんだよね」


「えっ、そうなの?」


「意外ね。でも、確かに伊鳥がお菓子作ってるところなんて見たことないわ」


私がお菓子を作ったことがないって言ったら、驚いたような顔をされた。


そんなに驚くことかな……?


頼君とは付き合っていたけど、手作りは渡したことない。

 
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