いつの間にか、君に恋していたんだ。
「よし、ちゃっちゃっと買っちゃおう!」
「そうね!」
「うん」
次に板チョコが売ってるところから近いココアパウダーと粉砂糖。
その次にバター。
段取りよく買い物を済ますことができた。
「いやー、こんなすぐ買い物が終わるとはね」
「要領よくできたおかげだね」
「早く作りたい!」
その後他愛もない話をしていたら、あっという間に私の家に着いた。
鍵を取り出して、開ける。
手を洗うと、すぐにフォンダンショコラ作りに取り掛かった。
「チョコレートが溶け切れてないよ!」
「ちゃんと天板にお湯張って!」
「やりすぎ!表面がうっすら焼けてる状態にして!」
咲は結構スパルタで、私に厳しく指導してくれた。
由香ちゃんは黙々と慣れてるように作ってるけど……なかなか難しい。
私はやったことないっていうところもあると思うけど、やっぱりたくさん注意されてしまう。
もっと頑張らないと……
咲の言うことをしっかり聞いて、その度に直していった。
「うん、上手!最初の時より断然綺麗!」
5回目でようやく褒めてもらえた。