いつの間にか、君に恋していたんだ。
ちゃんと間に合うように準備しなきゃ……
そう思って、気合いを入れ直した。
それから、ずっと練習。
大量にフォンダンショコラとチョコのカップケーキの材料を買い込み、どんどん作っていった。
カップケーキはフォンダンショコラよりは圧倒的に簡単ですぐに作れるようになった。
味見もしてみたけど、味も一応大丈夫。
次はフォンダンショコラだね。
フォンダンショコラは何回か作ってたから、2回目で上手くできるようになった。
綺麗な形。
フォークで切ると、トロリとチョコレートソースが出てきた。
よし、これで大丈夫。
あとは、明日の夜にもう1回作らなきゃ……
できた量はすごいことになっていて、帰ってきたお父さんに苦笑いされた。
「大量に作ったな」
「あはは。ごめんね、お父さん」
「いや。でも、伊鳥も手伝ってくれよ」
「うん」
その日、お父さんと私で頑張って食べきった。
「伊ー鳥!」
「ん……」
ばっと抱きつかれて、目が覚めた。
……私、いつの間に寝てたんだ。
「伊鳥が学校で寝るなんて珍しいね。昨日、チョコ作りで疲れた?」
「うん。まぁ、そうだね」