いつの間にか、君に恋していたんだ。
「ありがとう、由香ちゃん!」
「どういたしまして!」
笑顔で言ったら、由香ちゃんも笑顔で言ってくれた。
すると、感じる視線。
ずっと感じてたけど、注目度が上がった気がした。
……由香ちゃんのチョコが欲しいんだろうな。
なんとなく申し訳なく思いながら、由香ちゃんと教室まで一緒に歩いた。
「じゃあ、伊鳥。ごめんけど、私はこれで」
「うん」
由香ちゃんと別れて、教室に入った。
「伊鳥、おはよう!」
「おはよう、咲」
私に気づいた咲が挨拶をしてくれた。
もちろん、私も返した。
いつも思うけど、咲は来るのが早いな……
人はまばらでほとんどいないけど、咲はいつもいる。
「咲。チョコのカップケーキを作ってきたんだ。よかったら、食べて」
「うわ、嬉しい!ありがとう、伊鳥!」
さっきとまるで同じやりとり。
それに気づいて、少しだけ笑った。
「どうしたの、伊鳥」
「ううん、何でも」
咲は不思議そうな顔してたけど、私は笑った。
「まぁ、いいや。あ、私も伊鳥にチョコ作ってきたの!受け取って!」
「ありがとう!」
咲のは、ガトーショコラ。
これも美味しそう。
「伊鳥のもったいなくて食べれない。このまま飾ろうかな」
「ちゃんと食べてね」