いつの間にか、君に恋していたんだ。


「そんなの関係ないよ。ちゃんと言わなきゃ」 


「まぁ、そうかもな」


中に入ると、いつものリビング。


太陽君とこの部屋で2人きりになるのは、久しぶりかもしれない。


「で、伊鳥。渡したいものって?」


「うん、これだよ」


鞄からチョコのカップケーキを取り出し、太陽君に渡した。


喜んでくれるかな……?


「うわ、嬉し!ありがとうな、伊鳥!」


「ふふっ、喜んでくれてよかった」


由香ちゃんや咲に渡した時と変わらない反応で安心した。


優しいっていうのもあると思うけど……


「後で食べさせてもらうな!」


「うん」


「じゃあ、後は輝楽兄待ちか。なら、一緒に話そうぜ!伊鳥!」


「そうだね」


太陽君とじっくり話す機会なんてら最近はなかったから。


せっかくだし、話したいなって思った。


だから、太陽君の誘いに頷く。


「よっしゃ!そうだ!今日あった面白い話聞く?」


「うん、聞きたい」


「今日先生がさ……」


太陽君と他愛もない話をした。


でも、とても楽しくて時間を忘れて話していたくらい。


それから何分経ったかな……?


ガチャって音がしたけど、私達は話に夢中で気づかなかった。


「ただいま」


「あ、おかえり、輝楽兄!」


「おかえりなさい、輝楽さん」


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